カープの季節は本当に鯉のぼりまでなのか?


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言い古された格言(?)に、「カープは鯉のぼりまで」があります。この格言(?)の意味するところは、「広島カープは鯉のぼりの季節まで(5月5日まであるいは5月中まで)は好調だが、その後ずぶずぶと沈んで、そのまま下位に低迷する」にあります。はたしてこの格言(?)は本当なのかについて検証してみました。2000年シーズンも始まったことですし…。


広島東洋カープ 順位別・月別勝率(1950〜1999)

1位 2位 3位 4位 5位 最下位 月別平均
3月 0.500 0.500 0.250 0.425
4月 0.621 0.527 0.533 0.426 0.423 0.438 0.479
5月 0.563 0.571 0.509 0.565 0.406 0.428 0.500
6月 0.592 0.569 0.601 0.447 0.415 0.424 0.492
7月 0.585 0.580 0.478 0.466 0.397 0.406 0.469
8月 0.592 0.511 0.557 0.450 0.420 0.349 0.468
9月 0.692 0.549 0.497 0.484 0.425 0.376 0.483
10月 0.552 0.552 0.429 0.473 0.500 0.414 0.477
11月 0.167 0.167
順位平均 0.601 0.551 0.522 0.475 0.422 0.397

8チーム中8位だった1950(昭和25)と、7チーム中7位だった1951(昭和26)は最下位に合算
7チーム中6位だった1952(昭和27)は、5位に合算
黄色太字は各順位での最高勝率、灰色セルは各月での最高勝率


各月と各順位での勝率をまとめてみました。さて、この表から何が見えてくるでしょうか?まず言えることは、唯一5月の勝率が5割になっていることです。50年分のデータをまとめても唯一5割になるのですから、5月は勝っている言ってもいいと思います(通算501勝501敗なので今年負け越すと5割を切ってしまいますが)。
さてもっと衝撃的なのは、各順位毎に最高勝率であった月です(黄色太字参照)。1位は9月、2位は7月、3位は6月、4位は5月、5位は3月と10月そして最下位はなんと4月。つまり、順位が下がるにつれてピークが早くなっています。これは何を意味するのか?
確かにジリ貧になっていったからこそ順位が下がるということにもなりますが、このジリ貧こそが、「カープは鯉のぼりまで」につながっている感があります。1シーズンを通じて好調を維持することがいかに大変かを、このデータは物語っています。一旦沈んでしまったチーム状態はなかなか立て直せないものみたいです。ただでさえ層の薄い広島、主軸のケガはチームの浮沈に直結します。ケガだけはないように…。ちなみに、5位と最下位の違いは10月にがんばれるかがんばれないかの違いですね(5位:52勝52敗、最下位:53勝75敗)。いわゆる「駆け込み5位」(笑)。
今回は総平均データからの分析でした。次回はもう少し踏み込んで、順位と月間勝率の関係を求めてみたいと思います。できれば、「予測計算式」みたいなものが導き出せればおもしろいかなと、思います(時期未定)。


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