2000年シーズン、前半戦総括(と言うほどたいそうなものではありませんが)
■ | 横浜戦に完敗して、2000年シーズンの前半戦が終了しました。成績は、82試合39勝42敗1引分の借金3。この結果を、たっちゃんは「70点の出来」と総括しましたが、はたしてそうなのでしょうか? |
1999年シーズンと2000年シーズン 貯金と借金の推移(82試合まで) ![]() |
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■ | 手っ取り早くその発言を検証するために、昨シーズンと今シーズンの貯金と借金の推移を比較してみました。82試合消化時点で今年の借金3、昨年は怒濤の13連敗直後ということもあって借金10。これだけを思えば、昨年以上の出来となりますが、推移を見るとかなり危ない橋を渡っていたことがわかります。4月好調だったカープは前半戦で最大の貯金7までの快進撃をみせましたが、突如失速。6連敗→3連勝→6連敗→1勝→3連敗で、貯金を使い果たしただけでなく借金4(前半戦最大)まで急降下。怒濤の13連敗ほど派手ではなかったのですが、グラフの「角度」はほぼ同じ。「そのまま真っさかさまに転落」って可能性が大であったにも関わらず、再び持ち直して貯金4まで持ち直せたのですから、これは上出来と言わねばならないでしょう。 |
■ | 今シーズンの最大の焦点は「ポスト江藤」でした。ところが、期待されていたボール(なつかし〜)が全くのハズレ。また、新4番に指名された前田も、4月こそ好調を維持しチームを引っ張ってくれましたが、その後あっけなく失速(残念)。チームリーダーとして期待された緒方も足の具合が思わしくなく、本塁打こそ打ったものの変化球にまったく対応出来ず登録抹消。一時期復活するも、古傷再発で手術となり今季絶望。もとチームリーダーの野村も怪我の影響で芳しくない。また、セカンドとして期待されたディアスもケガで開幕絶望。投手陣へと目を向ければ、横山、澤崎、山内が開幕に間に合わず、小林幹も好調とは言い難い。「左のエースに」と期待されたカンバーランド(なつかし〜)も、巨人戦1試合に先発し木っ端みじんに粉砕されてお払い箱。どこをどう見ても、今年のカープに多くを期待するのは無理と思われたが…。 |
■ | 「捨てる神あれば拾う神あり」と言うと失礼かもしれないが、チームの苦境を救ったのがキムタク、チキート、小山田、ウルソーという新戦力と、復活を期する山崎慎。昨年、「便利屋」扱いで捕手、内野手、外野手と、あちこちを守らされて、「どこかに固定して欲しい」と嘆いていたキムタクが、ディアスの故障でセカンドのポジションを獲得し、そのままレギュラーに。チキートも、当初は打率が上がらず守備でもエラーを連発し、「どうなることか」と周囲をやきもきさせたが、今では2番・ショートをしっかりとゲット。開幕の巨人戦に好リリーフを見せた小山田、ワンポイントならまかせとけのウルソー、そしていぶし銀山崎慎のリリーフ陣がフル回転で、あれよあれよの快進撃。「ひょっとしたら、ひょっとして」とカープファンの期待も高まったのですが…。 |
■ | その快進撃も、投手陣の無理使いの上に成りたっていた「砂上の楼閣」。ウルソーは、いつのまにやらストライクが入らなくなりファーム落ち、小山田も「えいやっ、という投球が通じなくなった(川端コーチ談)」ということで、炎上が続いてファーム落ち。山崎慎も、年齢を考えない酷使が祟って、やはりファーム落ち。と、開幕当時の快進撃を支えた投手が相次いで沈没。フルシーズンを通じた投手起用がいかに難しいかをファンに知らしめる結果となってしまいました。 |
■ | 「もはやこれまでか」と思われた窮状を救ったのが、先発・抑えにフル回転の高橋建と赤丸急成長の河野。彼らの活躍で再度持ち直したかに思えたカープでしたが…。勝つためには非情な投手陣フル回転が必定。高橋建→河野、河野→高橋建と、一体どっちが抑えの切り札なのかわからない継投パターンが続いて、最近は河野がパンク気味。山内、澤崎が復活しましたが、二人とも病み上がり&故障持ち。最後の2〜3回をいかに抑えるか後半戦の最大の焦点。このオールスター休みの間にいかに再構築するか、それが問題です。 |
■ | 打の方は、金本がただいま絶好調。キムタクと出戻りロペスも堅調を維持。チキートが復帰しさえすれば、それほど悲観することもなさそうです。ただ、「打線は水物」。やはり、打ち勝つ試合運びよりも守り勝つ試合運びを重視するとなれば、やはり投手陣。非情なフル回転は仕方ないとしても、非常識なフル回転だけは避けてほしいものです。ちょっと歯車が狂っただけで、ズルズルと転落していった去年(↓)の悲劇を繰り返すまいぞ…。 |
1999年シーズン通算と2000年シーズンの前半![]() |
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↑下降カーブがどことなく去年と似ていて、ちょっと心配じゃ…。 |