オリンピックとペナントレース、どっちが大事?
リーグ制覇が、世界一より大事なことなのか?
そんなこっちゃあサッカーに負けてしまうぜ!


▲清心清鯉学にもどる▲


いよいよシドニー五輪が始まりました。開会式前のサッカー、対南アフリカ戦をよもやの逆転勝ちで勝利し、オリンピック気分はいやが上にも大盛り上がっています
今日から野球が始まりました。初戦の相手は優勝候補のアメリカ。先発松坂の涙ぐましい熱投で接戦となりましたが、いかんせんコマ不足。同点までが精一杯で、結局延長13回にサヨナラ負けとなってしまいました。これまで何度も言われてきましたが、もう少しプロが本腰を入れて協力すべきではなかったのでしょうか?特にセリーグ。
マジック5で優勝を目指す某チームもナイターをやっていたみたいですが、一体どれだけの人がその試合を見たのでしょうか?セ・リーグ制覇ぐらい朝飯前のはずの戦力で、当然の優勝が目前のチームの試合と、8年越しの金メダルをめざす国民的ヒロインの試合と、どっちが人の心を動かすのでしょうか
それは今日のスポーツ新聞を含めた全ての新聞の一面が物語っています。某新聞だけは一面で「巨人M4!」とか報じたのでしょうか?それだけは無いはずです。「ペナントレースのせっぱ詰まった時期に主力選手を出すわけにはいかない」とか言っていましたが、あれだけの戦力を揃えて、今の時期に至ってなお「首位攻防」とかをやっているようでは、実際のところ指揮官の能力が問われます(現に今10ゲーム差)。とっくに優勝していたっておかしくはありません。別に松井や高橋、そして上原を出せなんて誰も言っていません(そりゃあ「JAPAN」と書かれた日の丸ユニフォームを着た彼らを見てみたいですが)。はなっから、「協力拒否」っていう態度がどうにも解せません。「プロがでればその分アマチュアが出られなくなる」って、もっともらしい理由を述べていましたが、実際のところ、2試合続けてそのアマチュアに負けてしまうぐらいですから、リーグ一高給のファームの選手を派遣するのはアマチュアに対して失礼かもしれませんがね(うぉ〜、強烈な皮肉や)。プロがメンバーに加われば、必ずスタメンで出場できるもんなんでしょうか?そもそも、そのような発想自体、アマチュアを見下していると思えるんですがいかがなものでしょうか?アマチュアって、プロ養成予備校なんですか?
私は元来サッカーは好きではありませんでした。土砂降りの雨の中で平気で試合をやってみたり(これって、絶対観戦に来たファンをないがしろにしていると思う)、意味のない場面ですっころんでフリーキックのねだる姿がどうにも理解出来ず、これまではほとんど見ていませんでした。A代表の試合にしても、決定的なチャンスをことごとく外しまくって欲求不満が溜まりまくるばかりで、あほくさくてとても応援なんて気がしませんでした。しかし、今回の南アとの試合を見て、「なるほどサッカーっておもしろいものだ」と感じるようになってしまいました。「促成栽培のチームが世界に通用するはずがない」とタカをくくっていましたが、将来を見据えた強化を行えば、ちゃんとここまでになれるわけです。
一方のプロ野球はどうなんでしょうか?バブル景気に乗っかったJリーグブームが吹き荒れた頃、「野球はサッカーに取って代わられるのではないか」という危機感がささやかれた事もありました。しかし、一時的なブームが過ぎ去り、急速な給料の高騰による経費の増加を支えきれず、チームが次々と消滅するに及んで、「野球は安泰」という慢心が再び蔓延っているように思えて仕方ありません
逆指名で即戦力選手がある球団ばかりに集中する。FAで、たたき上げの選手があっさりとライバル球団に移籍してしまう。そして目指すことと言えば、「リーグ制覇」、「日本シリーズ制覇」。はなっから実力差があるチームが悠々優勝してしまうようなプロ野球が、Jリーグに対して優位を保っていけるんでしょうか?今回のオリンピックで、野球がメダルを逃しサッカーが決勝に進むような事があれば、まず間違いなく2002ワールドカップに向けてサッカー人気がますます盛り上がること間違いなしです。そしてこの状況を見ている子供達が、果たしてプロ野球を目指してくれるのでしょうか?将来の夢を、「逆指名で巨人に入る」って書く子より(実際、こんな事を書く小学生なんていないと思いますが)、「オリンピックで優勝してワールドカップでも優勝」って書く子が断然多くなるように思うんですが、いかがなものでしょうか?「自分の球場が満員となり、その球場からの中継の視聴率が20%を越えればそれでいい」って論理は最近の子供には通用しないのですよ、やっぱり。底辺を広げる努力を怠っているプロ野球に明るい未来は無いような気がします。


▲清心清鯉学にもどる▲