自由競争枠ってな〜に?
新ドラフト制度について勉強した


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単に不勉強なだけなんですが、今年(2001)のセ・リーグの順位が勝ち数だけで決まるってことをシーズン開始直前まで知りませんでした。このルール、負け越しているチームが勝ち越しているチームより順位が上だったりしたこともあって、「けったいなルールやな〜」と思っていましたが、さすがに慣れました。こういったルールの言い出しっぺはあのチームしかないのでしょうが、そのチームが自分の決めたルールのために優勝を逃してしまうといった自体になることを期待しています(屈折)。ま、何につけても、こういった重要なルール上の変更がこっそりと行われるのみならず、ファンに対しての啓蒙活動が一切行われなかったりするので、「またあのチームのわがままかよ」って話になったりするわけです(え?やってたの?そりゃあ不勉強でした)。
で、今シーズン、プロ野球界で実は大きな変革が行われていたらしいのです。それがドラフト制度改革です。言葉で書くと、

【2000年までの逆指名制度にかわり、1球団2人までの「自由競争枠」を設けるもの。これは社会人、大学生に限られる(つまり高校生は対象外)。ただし、従来の指名方式も戦力均衡を図る意味で残された。例えば、自由競争枠を1人使うと、ドラフト2巡目にウエーバー順で指名権を得て、3巡目で指名できない。また、2人使った場合は1〜3巡目まで指名できないといった具合に格差を付けられる。また、契約金の上限はこれまで通り、1億円になっている。】

となるらしいです。とはいうものの、私頭が悪いので、指名格差をつける以外にこれまでの逆指名と自由競争のどこが違うのかよくわかりません
話を整理するために、いわゆる「逆指名制度」についてまとめてみると、

【指定枠採用選手(1位、2位)の指名選手については、社会人、大学生の場合、選手に希望球団を事前調査する。重複した場合は、(1)選手の希望球団、(2)指名順位、(3)くじびき、の順で指名球団を確定。】

ってことだったらしいです。後半部分の、「重複した場合は、(1)選手の希望球団、(2)指名順位、(3)くじびき、の順で指名球団を確定」って文言があったとは知りませんでした。でも、事前に選手が希望球団を明らかにするわけですから、この文言はまさに有名無実ってことになりますね。で、逆指名制度って、あくまでもドラフトの1位、2位指名選手なんですから、あくまでもドラフトの一環であるわけなんですよね。とはいえ、この制度を導入した時点から、ドラフトの持つ本来の意義=戦力均衡化は失われてしまったんですよね。
結局、逆指名制度と自由競争枠って本質的には全く同じものだし、「ドラフト」ってしがらみを振り払う意味で自由競争にしてしまったのでしょう。逆指名って、本人が意思表示をしなければならないので、あとあとになっても、「裏切り者」、「恩知らず」等々の罵倒を浴びる可能性もありますからね。そう言った意味合いからも、自由競争にする意義はあるでしょう。
ただ、まあ、こういっちゃあ何ですけど、カープにとって、この自由競争枠がもたらす恩恵の程度はやはり低いような気がしますね。まあ、まず一番の理由は金。「契約金の上限はこれまで通り、1億円になっている」ってことになってますけど、これこそ形骸化されたうそっぱちであることは周知の事実。「一戸建てを買ってもらった」とか「父の会社の金回りが急によくなった」とか「父の借金の肩代わりをしてもらった」って話がまことしやかにマスコミ上にながれますし、だいたい、「参稼報酬が高い所へ行ってこそプロ」っていうことですから、いわゆるひとつの裏金が流れていないわけないじゃないですか。な〜んてことを書くと、「当事者でもないのになんでそんなことがわかるんだ」、「誹謗中傷もいい加減にしろ」、「証拠もないのに憶測でものを言うな」って本気で怒る人がいたりするので閉口しちゃいますね。あんたねぇ、もしあんたが一流の野球選手でよ、数球団から逆指名の打診があってさぁ、バカ正直に契約金1億で入団するかぁ?つってもさ、中にはそんな尊い方もおられるかもしれんし、本人から「実はさぁ、家を買ってもらっちゃった!」って直接聞いたわけでもないので、これ以上は言いません。ごめん、ごめん。きっちり1億づつ積み上げてさ、フェアにいきたいものですよ。「契約金の上限は一億」って明言しているんだからさ。
でもさあ、「従来の指名方式も戦力均衡を図る意味で残された」って論理もばかげてますよね。そもそも、1993年から逆指名制が導入されて以来、「たかが2人」といってもその2人がどれほどまでに戦力を不均衡化させてしまうかは、セ、パの2チームを見れば明白です。金(人気?)さえあれば苦もなく即戦力選手を毎年2名ずつ手に入れることができた逆指名制。逆指名で2人も取るんだったら、ドラフト指名は5位以下でも十分ですよ。ま、結局、自由競争枠と名前が変わっただけで本質的にこれまでの逆指名制となんらかわりはないんだから、戦力の不均衡化(ある意味選手の飼い殺し)はますます進むことでしょう
ただ、全てが悪いことばかりというわけではありません。自由競争枠指名に走る球団が増えればいわゆる「即戦力」は獲得できなくなりますが、とりあえず現行の制度である限り、高校生の有望選手は獲得し放題ってことになりますね(くじ運にも左右されることにもなりますが)。もうこうなったら、これまで通り金の卵をふ化させることに専念するしか手がありませんな。
あ、そういえば高校生には「大学」、「ノンプロ」って選択肢って切り札がありますね。つい最近は、東出の後輩が指名逃れ(と思われる)の大学進学しましたっけ。それに主軸選手になったらなったで、こんどはFAでしょ?富める国はますます富むってか?そりゃあ富める国が自分に有利なように法を改正するんだから千年帝國はますます栄えることでしょう(結局はここへ持ってきてしまう自分も悲しい)。でも、どうしてあんなにわがままなのかねぇ。「貴重な選手の流出を避けるため」って大義名分から、おそらく4〜5年先にはなし崩し的にドラフト制度自体がなくしてしまうような気がします(自紙の中で「貿易の完全自由化賛成」とか言っていたとしたら笑いますがね)。そのころには、いわゆるその年の目玉選手を集めまくっていることでしょう。「他チームに渡すぐらいなら自チームで飼い殺せ」、「これでもか、これでもかっていうぐらいにレギュラー選手に競争相手をぶつけて競わせる」ってV9時代みたいなことを再び行うのでしょうか?そんな不毛な時代に逆戻りじゃあ、今世紀の日本プロ野球のお先は真っ暗です…。「それでこそ明るいのだ」、「今度こそ巨人V10」ってサイコな人は、二度とこのHPには来ないでくださいね。決して楽しくなるようなことは一切書いてありませんから。それから、そういった人からの苦情は一切受け付けませんので、念のため。


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