新球場は「複合型オープン球場」に決定
これ以上ない玉虫色の解決に唖然…。屋根は一体全体どうなるのか?


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下記に示す新聞記事は、平成14年5月2日付中国新聞のもろパクリです。はじめに謝っておきます。ごめんなさい。
まあ初めっからわかっていたことではありますが,広島の新球場は複合型オープン案に決まったみたいですね。「是非とも屋根付き球場を」と願っていた私としては,がっくりと力が抜けてしまいました。とはいえ,バブル景気のおり,「買っちゃえ,買っちゃえ」で買ってしまった土地がやっと有効活用されるのでよかったといえばよかったのでしょうが,当初の腹づもりとはぜんぜん異なった球場が建ってしまうことになってしまって,ホントのところ,よかったのか悪かったのか…。
そもそも,「都市活性の切り札にするため,早期で確実な事業化が不可欠と判断。屋根の有無などの形態よりも,経営計画の信頼性を最重点に選んだ」となっていますが,経営計画に参画している米最大の商業デベロッパーなる某グループって一体何者なのでしょうか?中国新聞によれば,「ニューヨーク証券取引所に上場され,開発業者として全米で幅広い実績を持つ」となってはいますが…。日本での実績ってあるんでしょうか?日本の地方都市である広島に,アメリカ流のマーケット経営理論がすんなりとなじむとは考えにくいんですけれども…。かのグループ,今年になってマスコミに名前が挙がるようになったと記憶してますが,一体全体,どういった経緯でカープとの関係ができたんでしょうか? 「複合型オープン案」に決まった理由の一つとして,「カープ球団が経営参画している」っていうのがあるそうですが,そもそも球団の経営しかやったことがないカープがそのような複合施設の経営に参画して大丈夫なんでしょうか?どの程度資本的に参加するのかわかりませんが,「最終的に借金だけを押しつけられて途方に暮れる」なんてことになってしまったら,「地域の財産」(秋葉市長)を失いかねません。米国流の経営術って引き際の鮮やかですから…。
「(おそらく)本心ではない複合型オープン案に決めざるをえなかったわけですが,広島市としては屋根を架けることについてはあきらめてないみたいですね(表面上は)。「お願いすれば何とかなる」みたいな論調になってはいますが,今日(7/6)に載っていた屋根を架けた場合のイメージ図,まさに「取って付けた」とはこのことみたいな絵になってました(苦笑)。この図を見る限り,初期費用120億円(なんか前に言っていた額よりもひどく高くなってませんか?),年間管理費3億円の金銭的問題よりも,デベロッパーやカープが設計変更に応じる可能性は低いような気がしますね,たとえ広島市が付設すると言っても…。だって格好悪いですから。基本設計からやり直せば話は別ですが…。まあお金を出すわけですし,「広島市の新しいシンボル」を目指す施設でもあるんですから,本当にやる気がありさえすればなんとかなるとは思うんですがね…。
結局,いかにも日本的な玉虫色の決着をみせた新球場案ではありますが,果たして得をしたのはどちらなんでしょうか?新球場に屋根を付けないのであれば,新球場を建てる意義は半減するように思えますし,観客収入を増やすためには絶対必要なはずです。ただここで考えなければならないのは,初期投資もさることながら屋根の年間管理費の問題。屋根を付けたことにより観客は増えても,下手すれば管理費のために赤字なんてこともあり得ます(ドーム案を捨てた最大の理由もここにあります)。経営者側からみれば,儲けにならない投資はしたくありません。でも,やっぱり屋根はあるにこしたことはない。一方,広島市及び広島市の政財界の中には「是非とも屋根を」って意見が根強いけれど,球場と付帯施設を建てる資金なんてどこにもないのは周知の事実。となれば,「球場及び付帯施設の建設を引き受けるが屋根は付けない」と言い張ることにより,「屋根を付けさせて年間管理費も払わせちゃえ」って思惑が某デベロッパーにあっても不思議ではないですよね。これが商売って言うもんです。
ま,最終的には,カープとデベロッパー側がおれて(おれたカタチで),超折衷案の産物の複合型球場(可動屋根付き)ができるんでしょうけれど,お金が間に合わなくて屋根用のスペースだけがポッコリ空いた球場になれば,いかにも広島的でグッドですかね。ただ,「新球場屋根かけ30年計画」とかいう遠大な計画だけはご遠慮頂きたいもんです。屋根がついたときには「建て替えた方がよかった」になりますから。


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